オロシ……?
高知旅行中、宿の近くでかつて「オロシダニ」なる難読地名があったことを知った。僕のスマホの環境では文字が表示されず、気になったので少しだけ調べたり現地行ったりしてきた。

笠ノ川
高知県南国市。ナンゴクとは言い名前をつけるな、確かに5月にしては暖かいな、など考えてたら読みはナンコクだった。高知県東部に位置し高知龍馬空港を抱えるこの都市は、アンパンマンのやなせ先生や特産の生姜などで知られる。

高知県を南北にまたがるために海沿いから山間まで擁する市だが、今回の舞台は笠ノ川地区というエリア。南国市岡豊町(おこうちょう)、笠ノ川川という冗談みたいな名前の川の流域にある。
オロシダニ
オロシダニの名は先のサイトで偶然知った。PC環境によっては文字を見ることができるかもしれないが、⿰夫風 谷で「オロシダニ」である。
近くの図書館で色々探してみたが、昭和9年時の区画図には⿰夫風 谷を見つけることができた。先に言ってしまうと今回見つけられた⿰夫風 はこれだけなんだけどね。

この図の全体を見ると、オロシダニは笠ノ川の北東、なんかぴょっこり出ている位置にある。川の近くだろうか?
南国市史によると、オロシダニの近くには石器時代だかの遺構が見つかっているようだ。颪谷という表記揺れのようなものも見つけた。
この史料は昭和54-57年に編纂されたようだが、同じ遺跡を写真付きで紹介するものの下には楓谷窯跡という文言。この資料で⿰夫風 は管見には至らなかったところも含め、誤記か活字の代用と見とけばいいのかな??
資料をコピーさせて頂いたのだが見つからない。見つかり次第「颪谷」「楓谷」も出現位置を共有したいところ…。
ここが現地のオロシダニ
かつてオロシダニがあった場所もうろついてきた。オロシダニ自体は明治4年だったかな?に笠ノ川村に併合され現存の地名としては残っていない。笠ノ川周辺を見た限りでは、小字は番地表記に切り替わっているようだった。

山間におそらく地域住民のための墓地、そこを切り開いたような形で道路が走る。住所を見るにどうやら隣の地域らしいが旭食品株式会社の建物が大きく聳えていた。
道路に立っているとガサガサと音を立てながら力強く風が吹き付け、なるほど颪の谷と名が付くわけだとも感じる。林内に立ち入ると隣町との境目は断崖になっていて、谷でも崖でもある起伏の激しい地域のようだ。

墓参りや作業をされている方、及び場所を損なわない範囲で散策してみたが、⿰夫風 はおろか窯跡も見つけることができなかった。非常に残念だが、ここで旅の終わりを迎えてしまい文字の探訪は以上となった。
おわりに
辞書すら引いていない簡素な探索だったが、オロシと言う珍字に出会えた意義深いものだった。たまには旅先の図書館に時間を費やすのも悪くはない。
あとやっぱカツオのたたきはおいしい。

