新年のご挨拶(いまさら)
新年あけましておめでとうございます。昨年は格別のご高配を賜りなんたらかんたら。
少しタイミングを逸した感は否めないが、本年2026年は60年ぶりの丙午。「丙午生まれの女性は気性が荒い」といった迷信で出生数が激減する話など、干支に関する話をよく聞いた年末年始だった。
十二支でいうと午年、あの野山を駆ける馬の年。竜や虎とは違って(?)日本でもそこらで見ることができるし、騎馬や農耕馬は古来より生活とも関わりが深く、流鏑馬や競馬などの文化もありとかく日本人と密接に関わってきた動物である。
それは恐らく中国でもそうだったんだろう。騎、駅、駒のように馬は漢字に頻出する。爲(為)は象形によって作られている形なのだそうで、手を使って象を使役しているところらしい。そこから中国では昔野生の象がいたとはよく言われるけど、象偏の文字とか言われても出てこないもんな。
その点馬はすごい。馬に乗ること、n歳の馬、m頭で引っ張る馬車を表す漢字など、もはややりすぎなんじゃないかってくらい馬偏でカバーしている。
いや他の動物を貶めて馬を褒めるのばっかりしていては良くない。馬力という言葉が表すように、人類にとってものすごくありがたいのは馬のパワーである。
隠岐諸島で放牧された馬を間近で見る機会があったが、太腿の筋肉のごつさに驚かされた。馬たちのそばに腰掛けてたけど、少しでも怒らせて蹴られたらひとたまりもないんだろうなと畏怖を禁じ得なかった。
馬と縁起
新年、そして馬といえば絵馬を思い浮かべる。神社の本殿あたりで大量に掛かっているあの木の札である。正直神社で絵馬に願い事を書いて奉納したことはあんまりないのだが、あれももともとは馬の絵が描いてあるのが普通だった。
さらに遡ると神事に馬を奉納していたことの名残だったらしい。へー。
貧しくて馬を用意する余裕がない人たちが馬の像で代用しだして、それが馬の絵を描いた板になっていったとのこと。
今はたくさんの人が絵馬に願い事を書いていくし、木の板になってよかったな…神社に何百ものお馬さんが並んでいるさまはちょっと見てみたくもあるけれど。
打って変わって、神との関わりでもなんでもない縁起物として左馬というものがある。http://www.ikechang.com/shogi4.htm

山形県天童市生まれの、左右反転した馬の字が書いてある将棋の駒なのだが、これがめでたいとされる理由のひとつに「『うま』を逆から読むと『まう(舞う)』になる」というのがある。めっっちゃダジャレである。まめに生きるために黒豆食べるみたいなおせち料理のような縁起の担ぎ方だ。新年の話に戻ったな。おあとがよろしいようで(?)
ひだりうま@浅草
某サービスエリアでこんなひだりうまを見た。

左を向いてるとかじゃない、⿰左馬 と1文字で表している 。左偏と呼べば良いのか?初めて見るパーツかもしれない。
恐らく先の「ひだりうま」から取った店名だろう。生珍味とはなんだろうか?興味はあったが時間がなく、後ろ髪を引かれる思いで店を後にした。いつかまた店にお目にかかれることを信じて。
…ということで後日浅草に足を運んだ。
浅草駅から少し歩いたところにある浅草一丁目交差点。商店街の方へ入ると「生珍味」の文字が目立つ幟が見えてくる。

こぢんまりとした店内に、塩辛やわさび漬けなどをはじめとするご飯やお酒のおともが肩を寄せ合うように並んでいる。なるほど、生珍味って干したり火を通したりしてない海鮮を使っているってことか!
おそらくご夫婦なのだろう、朗らかなお二人が「気になるものがあればどうぞ」と声をかけ、惜しみなく試食をすすめてくれる。実際初めて見る珍味がかなりの割合を占めており、試してみないとわからないよねー、と言ってくださった奥様(?)の言葉を実感する。
お話を伺ってみると、どうやら⿰左馬で1文字ではなく、ただ左馬という言葉を横に並べて書いたロゴのようだ。「二文字を横にくっつけたんですよー」といった旨のお言葉も頂いた。なるほど確かに言われてみれば、左馬と漢字2文字で表記されている商品もあったし、左馬と縦書きされている千社札様のシールが店内に貼られていたりもした。

サービスエリアで見つけたのは「創作漢字」ではなかったようだ。なお店名も先の縁起物から取っているそうで、いくつかある左馬がめでたいとされる理由付けにも肖りたくて…とのこと。

勧められるがままにほとんどすべての商品を頂いたが、どれも非常においしかった。その中でも生のままのイカを使った松前漬け、たこバジル、雲丹とつぶ貝を和えた珍味を購入。炊き立ての白ご飯と食べるのが楽しみである。
左馬の縁起にも乗っかりつつ、良い年を過ごせますように。今年もこのブログともどもよろしくお願いいたします(いまさら)。
